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708:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 7/29 22:7:32.35 ID:qEnQmc1X0
男「……」
友「どうした? あの威勢のいい彼女は?」
男「うるさいんで、本を与えてみた」
友(与える…………)
男「まさか、素読するとは思わなかった」
友「昔の日本人は読書というと声に出して読む素読だったらしいが……何の本?」
男「詩集。堀口大学『月下の一群』」
友「どうせ口が閉まらないなら、ロマンチックでいいじゃないか」
男「叫ぶんだよ」
友「……」
男「コクトォやロオランサンやヴェルレエヌを、あのノリで延々と叫び続けるんだよ」
友「……」
男「詩は心意気だとか言って」
友「意気はよけいだよな」
男「ああ……」
友「月下の一群って、けっこう収録数あるよな」
男「メシ食わせてもやかましい、本読ませても騒がしい、どうしたらいいと思う?」
友「別れろよ……なんで付き合い続けるんだよそこまでして?」
男「…………?」
友「そこで不思議そうな顔すんなよ……」

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