新10 1-
801:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 8/4 0:53:50.57 ID:6bOS5uCC0
上の続きです
俺はゆっくりとした足取りで食器を流し台に持って行った後、
学校指定の黒革鞄を持って玄関へと向かう。
「遅いぞ、誠一!」
「何を言っている。まだまだ余裕たっぷりだろう」
俺は改めて、部屋の壁に掛けられた時計に視線を移す。
学校開始まではあと30分もある。
うちから学校までは、徒歩10分。走れば5分の距離だ。
よほど不運な事故に遭わない限り、遅刻はありえない。
「ほら、さっさと行くぞぉーーー!」
「分かったから、そう大声を出すな」
やかましい事この上ない幼馴染だが、
もうこの無駄な元気に慣れた俺には苦ではない。
むしろ、毎朝こいつの大音量を聞くと、
少しだけ元気を分けてもらえるような気分になる。
「愛してるぞぉーーー! 誠一ぃーーーー!!」
……前言撤回。
やはりこいつはうるさいやつだ。

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