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921:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 8/5 16:16:14.21 ID:TX4fKIn50
〜赤ずきん・続き〜
はてさて、場面は変わってお婆さんのお家です。
後輩「なんで久しぶりの出番なのに、老人役なんですかぁ! 酷いです横暴です抗議します〜っ!」
お婆さんは年を取ったせいか長年の一人暮らしのせいか、愚痴っぽくなっていました。独居老人の見本です。
後輩「うるさいうるさいうるさい!!(CV釘宮) もう、どうして私ってばこんなのばっかりなんでしょう…シクシク…」
お婆さんが一人涙に暮れていると、戸口の前にぬうっと怪しい影が現れました。言わずもがなの狼です。
男「さて、真っ向から乗り込んでも抵抗されると面倒だな。ここは絡め手で攻めるか」
言うと狼は、二、三度咳払いをしてから赤ずきんの声を真似てお婆さんに呼びかけました。
男「あーあー…『お婆さぁぁぁぁぁんッッ!! わたしだっ!! 赤ずきんだぞぉぉぉぉぉっっ!!』」
後輩「!! この声は、あの泥棒猫! …待ってなさい。今、ギッタンギッタンにしてあげます!!」
狼の小細工は逆方向に効果覿面でした。お婆さんはクリスタルレイクの殺人鬼のように斧を構えると、戸口に向かって突進します。
後輩「ぶち殺したらあっっ!! ……って、先輩!?」
お婆さんの重量感たっぷりな斧の一撃を、狼は寸でのところで白刃取りしました。芸達者な男です。
男「あ、危なかった。というか、お前も設定を無視するのか」
後輩「あ、そうでした。せ、先輩、私のこと食べちゃうんでしたよね? は、初めてですから優しくしてくださいっ」
お婆さんは今更のようにカワイ子ぶって見せました。
一つ疑問なのですが、初めてなのにどうやって赤ずきんちゃんのお父さんなりお母さんなりを生んだのでしょうか。
世界史のミステリーです。
男「無抵抗か、手間が省けていい。さて……(バリバリムシャムシャバキバキゴクン)」
狼は油断したお婆さんをペロリと平らげてしまいました。少々グロテスクですが、クラウザーさんに比べれば大した事無いです。
男「さて、後はばーさんに成りすまして赤ずきんを待つだけだな」
そう言うと、狼はお婆さんのナイトキャップを被ってベッドに潜り込みました。
ベッドの中で「赤ずきんも『初めてだから優しくして』とか言うんだろうか…」と想像して、
ちょっぴりイケナイ気分になったのは秘密です。
男「妙なことを捏造するな……」
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