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752:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 8/6 16:11:16.61 ID:67jm3cY/0
肌を突き刺すような夏の日差しの中、女は一人待ちほうけていた。
「男……遅いなぁー。きっと、遅れてやってきて驚かすつもりなんだなっ!」
女は誰に向けたでもなく、そう呟いた。
ジリジリと地面を焼く太陽。湧き出る陽炎が、駅前のロータリーを包み込む。
夏の天気は残酷だった。
女を焼き殺すかの日差しは隠れ、大粒の雨が強くコンクリートの地面を叩く。
それでも女は、待ち続けた。
傘も差さず、雨宿りもしない。
降りしきる雨は、女を霞ませた。
「男ぉ……どうして……」
言葉は雨にかき消える。
雫が女の顔を強く打ち付ける、涙もそれに融けてゆく。
にわか雨の中、女は濡れたコンクリートへと倒れこんだ。
「お前……馬鹿か?」
病院のベッドで拗ねる女の脇で、男は呆れた口調だった。
「まったく……、待ち合わせの日間違えたあげく、ぶっ倒れるって何やってんだか……」
「だぁぁぁ! 男ぉぉぉおおお! うるさいぞ! 過ぎた事を掘り返すなぁぁぁぁぁ」
女の顔は朱に染まる。
そう彼女は、その日絶対に来るはずの無い彼を待っていた。
でもな……、と男は切り返す。
「こうしてちゃんと合えたんだ、お前も本望だろ」
そう言って男は、ベッドの上の女を優しく抱きしめた。
「なっ……男ぉ! …………その、ごめん」
夜の病室。
一つになり、書き換えられた二人の夏の時刻表。
二人という名の電車は、新しい道を進んで行く……。
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