新10 1-
551:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 8/10 12:41:03.27 ID:1qkPBucX0
>549 続き
男は考えた。どこに行けば女と話が出来る機会があるか。
女の教室へ行っても避けられるのは分かっている。当然この教室にも来ないだろう。
じゃあ避けては通れない場所―――、下駄箱だ。
帰り支度を済ませた女が下駄箱へとやってきた。男の存在に気が付いたが知らんぷりを決めている。
男「おい、ちょっと待てって」
女「―――っ!!!」
男の目の前を通り過ぎようとした女の腕を掴む。
女が男の顔を見る。女の目にはうっすら涙が浮かんでいる。
女は掴まれた腕を振りほどくと、傘も差さないまま外へと走り出した。
男「おい、待てってば!!」
男も傘を差しながらではあるが、女の後を追いかけた。
女「追って来るなあああ!!!」
雨と涙でずぶ濡れになりながら走って逃げる女が叫ぶ。
女の声を久々に聞いた男。それなら、と男も叫ぶ。
男「お前が止まるまでどこまでも追いかけてやる!」
女「!!!」
男の一言で、雨中の追いかけっこは終わりを迎えた。

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