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510:6/8 8/12 17:18:02.71 ID:YX+gozFl0
男視点
手の上に乗せられた物体を見つめる。
弁当じゃなくて、攻略不可能な時限爆弾を抱えている気分だ。
ここまで来て逃げることは適うまい。
覚悟を決めて包みを解き蓋を開ける。
……想像していたものとは全く別物だった。
卵焼きにたこさんウインナー、ウサギ型のりんごに僕の好物である鰤の照り焼きまであった。
形はどれも不細工ではあったが、どれも作り手の気持ちがうかがえるものだった。
多少躊躇したがまずは卵焼きを口に運ぶ。
「どう? おいしい?」
……まだ入れたばっかりだって言うのに、よほど気になるのかいつもとは違うテンションで聞いてくる。
「うん、美味しい」
「そうか!!! 安心したぞォォォォォ!!!」
その後も食べ続けたがどれも美味しく、そのたびに彼女の歓喜の声が響きわたった。
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