新10 1-
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男「花火大会?」
アイスコーヒーを作りながら、男は言った。作っているのは二人分。
男の後ろ姿を見ながらにんまりして座っている女の分だ。
女「おう!!!一緒に行こう!!!」
男「断る」
女のアイスコーヒーをテーブルに置いて、さも興味なさげに男は言った。
女は、そんなまさか、という表情をしている。
男「人ごみの中であんな火薬の塊を見て何が楽しい?意義が見出せん」
女「なっ!!?違うぞ、男!!!」
男「何がだ」
女「花火は夏の風物詩!!!これを男と一緒に見ずして夏は終わらないんだあああ!!!」
どすんという音が立つほど強くテーブルに片足を乗せて、拳を震わせる女。
男「じゃあそのまま終わらない夏を過ごせ。あと足をどけろ」
女「う〜、せっかく男と夜店とかロマンチックな夜景とか見て回れると思ったのになぁ・・・」
女はいかにも不満げな顔をして、アホ毛とともにテーブルにしおれた。
だが同時にアイスコーヒーを飲んでいた男のメガネが、きらりと光った。
男「ゴホン、気が変わった。5時に駅前集合だ。遅刻は許さんからな」
女の不満そうな顔が、一気に喜びの表情に変わった。

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