新10 1-
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夜店は神社の境内までの道の両側に、ずらりと並んでいる。
神社自体が小高い場所に立っているので、河川敷で打ち上げられる花火を見るには最適。
まだ花火大会の時間ではないが、そんな絶好の場所を見逃す人がいるわけもなく、夜店は賑わっていた。
男「なんか、どこも変わらねぇな」
男は人の多さにうんざりしながら呟いた。
女は履き慣れない草履をからん、ころんと音を立て、男の横を必死に追いかける。
女「男ぉ・・・ちょっと待ってくれぇ・・・!!」
男「なんで慣れないものを身につけてくるんだお前は」
女「男が喜ぶと思ってぇぇぇ・・・!!」
男は、仕方ない、と言う表情をしながら女の手を取った。
男「ほら、さっさと行くぞ」
女「ふぇ!?あ、わ、おお、おおおお!!!?」
男から手を繋いでくるという予想外の行動に、女は混乱した。
だが冷静に考えると嬉しい事なんだと、じわじわとだが理解したようだ。
女「男ぉぉぉおおお!!!嬉しいぞぉぉぉおおお!!!」
男「わ、バカ、くっつくな」
その後数十分の間、腕に抱きつかれたままの男であった。うらやましい。

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