新10 1-
475:巡り会えたら −6 8/23 23:55:00.84 ID:mDVIxLs50
女は頷かない。
男(あれは、付き合ってなかったってことか・・・確かにそうかもな)
女は、ただ俯いていた。
男「・・・すまん。ただの気のせいだった。悪いことしたな」
男は立ち去った。
女は一度だけ男の背を見たが、すぐに目の前にいる優しい男子生徒の方を見た。
男子生徒「あのさ、別に・・・追いかけてもいいよ。俺なら、気にしないで。なーんて言っちゃったりして」
男子生徒は無理に笑顔を作った。それが、男の前でいる自分と重なった。
時々、無理して笑っていることに、彼は気付いていただろうか?
いや、気付くはずはないだろうなと女は思った。
女「・・・ううん。私は、あなたを選んだ。きっとあの人とは巡り合わない運命だったの」
それから、男と女は生涯、二度と会うことはなかった。

ir ver 1.0 beta2.2 (03/10/22)