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105:5/11 8/28 4:34:15.86 ID:qAYeYgfG0
女はくじけなかった。
何としても子犬と仲良くなる。それが今の目標だ。
女は、男と来る日も来る日も子犬の元へ行った。そしてその度に吠えられ、追われ続けた。
女「うう、いい加減ヘコんできた。私のこと嫌いなのかな?」
男「・・・本当にそう思ってるのか?」
女「え?」
いつものように追いかけられた、その帰り道。
男「あ、そうか。逃げ回ってるから見てないんだな」
女「何の話だ!?」
男「まあ近いうちに分かるさ」
女「だから何の話なんだ!!?」
男「お前と子犬の事だ」
男はふっと笑いながら道を歩く。
女も訝しげな表情をしながらも男について帰った。
男が言いたかった意味は、翌日に分かる事になる。
この日も懲りずに女は、子犬と親しくなろうと公園へと向かった。今日は男は用事とやらで一緒ではない。
そこには、いつもなら子犬しかいない。でもこの日は違った。
公園に差し掛かる前に聞こえてきたのは、子犬のいつもとは違う声と、聞いたことの無い誰かの罵声だった。
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