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113:11/11 8/28 5:9:20.40 ID:qAYeYgfG0
女「もし私がいなくなったらどうする!?」
帰り道で、不意に女はそんな事を言い出した。
男「俺に平穏な日々がやってくる。っておい、冗談だからそんな表情をするな」
女は俯いて露骨に落ち込んだ。
男「じゃあ逆に俺がいなくなったらどうする?
お前の事だから俺の後をどこまでも追いかけて来そうだが」
女「さすが男だ!!!今までの私を良く知ってる!!!でも・・・」
男「でも?」
―――私は変わる。男のために。何より私自身のために。
女「男おおおおお!!!大好きだああああ!!!」
男「おい、『でも』の続きは?」
女「そんなの、二人の前ではもう意味を成さない!!!」
男「答えになってねぇ・・・」
女は決心していた。もう迷いはしない。
いつか誰かと離れてしまう事になったとしても。それが男であったとしても。
また会えた時に、たくさんの思い出話を笑ってプレゼントできるように、と。
澄んだ青空に浮かぶ白い雲の一つが、子犬の顔に見えた。
― 了 ―
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