新10 1-
919:瞬きの輝きシーン5 9/5 16:51:59.57 ID:CUpGnMCK0

(帰り)
男「花火、綺麗だったな」
女「うん…」
男「気分でも、悪いのか?」
女「…」
花火大会が終わって帰る道中、女は黙ったままだった。
いつもはうるさいくらい自分から騒ぐのに、静かになると余計気になってしまう。
男は、何度も声をかけるが、返事は一言、あるいは完全に無視される事もあり、少々いらだっていた。
男(はあ…はやく帰りてぇ)
男と女は立ち止まる。お互いの帰路のちょうど間にある、別れ道。
男は、これで帰れる、と胸を撫で下ろした。
男「じゃあな。また明日、学校で…て?」
後ろを見る。女が、男の服の裾を握っている。
男「おい、どうし…」
女が顔を上げる。その瞳は、潤んでいる。男は不意をつかれ、何も言えなくなっていた。
女の唇がかすかに動き、言葉を紡ぐ。
女「もう少し…側に、いて欲しいの…男」


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