新10 1-
455:4/10 9/7 16:12:29.07 ID:NOao6LIq0
無難にアトラクションに乗り(メリーゴーランドは男が最後まで頑なに拒んだ)、お昼時になった。
女「今日は男のために弁当を作ってきたぞおおおおお!!!」
男「本当に弁当と呼べるのはいつになるやら」
女「気にしなああああい!!!今日は三時間も費やした最高傑作だ!!!」
男「時間に比例して弁当がとんでもない事になるわけですね」
女「う〜、これを見てもそんな事が言えるのかああああ!!!?」
女が弁当の蓋を開けると、見た目から壊滅的な、夏休み前までの弁当の姿は無かった。
それどころか、市販の弁当よりも綺麗で豪勢だった。
男「お、うまそう」
女「私だってやる時はやるのだ!!! さあ、食え!!!!」
男はちゃんと焼けている卵焼きに箸を伸ばした。
だが口に入れる前に、男はあることを思い出した。
一学期のある日の事。
これほどではないが、きちんと形になっている弁当を女から渡された。
いつものより見てくれが良かったので、男はついついその弁当を口に運んでしまった。
だが、相変わらず兵器並みの味だった。
その日、男が体調不良になり早退したのは言うまでも無い。
その事を思い出し、卵焼きと睨み合う男。
その横では、嬉々とした表情で見つめる女。
男は何かを覚悟して、卵焼きを口に入れた。

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