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103:秋雨と台風〜14 9/16 4:19:01.89 ID:CjKpOFIs0
男「で。何ゆえに」
風呂上り。供与された寝床は――
男「女の部屋で寝ることになってるんだ――ッ!?」
布団は出してもらってるが、しかし。しかしだ。同じ部屋で男女が二人っきりってのは、正直どうかと思うわけですが。と、無駄にやきもきしていると。
女「男ぉぉぉッ!待ったかぁぁッ!!」
部屋の主が帰ってきた。風呂上り+パジャマの相乗効果は不味いです。実に。
ぺたん、と俺の隣に座ってくる。シャンプーの、ほのかな甘い香りが鼻をくすぐっていった。
男「なんか……寝れそうに、ないな」
女「修学旅行みたいなカンジだなぁぁっ!!訳もない高揚感!冴える意識!今夜も眠れないぃぃぃッ!!」
男「確かに、そんな感じだな……」
女「さて!まだまだ夜は長いぞぉぉ!!男ぉ、何して……」
覗き込んでくる視線が、ダイレクトにぶつかった。
男「……ッ」
女「……ぁ」
条件は、揃ってしまった。まずい。この空気は、昨日の――
そしてまた、囚われていた。目を逸らせない。互いの瞳を覗き込んだまま、完全に固定されてしまっている。
どちらともなく、目を瞑り――そして今度は、長い口付け。
女「ん……」
唇に残る熱い感触。上気した頬、とろんとした瞳で見上げてくる女に、くらり。
男「おん、な……」
さらに求めようと動き出す衝動。きっと彼女も、それを望んで――
そして彼女の華奢な体をベッドへと押し倒し――その瞬間。
女「……ッ」
男「……!」
彼女の僅かな強張りを悟り――我に帰ったかのように、衝動のまま動きかける身体を、無理やりに制動していた。
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