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158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 9/16 12:0:28.51 ID:KxSZV0rn0
男「お前、芋好きか?」
女「お、おう!!! 芋羊羹は大好物だぁああぁぁああぁぁああっ!!!!!」
男「じゃあ、これとかこれとかこれはどうだ?」
女「な、何だこれ……い、芋なのか?」
男「干し芋、芋けんぴ、さつま芋チップスだ」
女「は、話には聞いたことあったが……どれも食べたことはない……と思う」
男「思うなのか。まぁ、試しに食ってみろ。特に干し芋は焼き芋が好きならオススメだ」
女「お、男が勧めるものなら何だって食うぞぉぉおおぉおぉおぉ……!!!!!! モグモグ……うまいぃいいい!!!!!
この味を知らずに今まで生きてたかと思うと、とても損した気分になるぞぉおぉおおおぉぉ!!!!!」
男「そうか。大げさな奴だ。……実はな、これ皆、俺の祖母ちゃんが作ってくれたものなんだ」
女「男の……お祖母ちゃんが?」
男「そう。俺の両親ははっきり言って、疎遠だった。仕事と自分のことでいっぱいでさ、俺のことなんかかまってくれなかった。でも、祖母ちゃんは違った」
女「モグモグ……」
男「祖母ちゃんは俺の為に、これらを作ってくれた。そこらのスナック菓子じゃない……美味しくて、健康にいいものをってな。
お手製の干し芋なんか甘くて、幼稚園の頃は牛乳とがつがつ食ってた。芋けんぴは固いから、年長組くらいからかな。
そりゃ貧乏臭い代物かもしんないけど、俺は大好きだった。遠足のおやつとして持ってたくらいだ。
なんでさつま芋かって言ったら栄養とかもそうだけど、祖父ちゃんのいない戦後を生き抜いてきた祖母ちゃんにとって思い出深いものだったからかもしれない……」
女「…………」
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