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65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 9/16 0:51:00.90 ID:I8J+Yu530
男の友達が死んだ。男友ではない違う友達の話だが。病気だったらしい。
中学で知り合い高校は別だったがたまに会って遊ぶほど仲のよい友達だった。
男も葬式に出た。涙は流れなかった。友達の体はかなり痩せてはいたがきれいな状態だった。
本当にこれで死んでいるのか?まだきれいな顔してるじゃないか。棺の中で眠っているようにしている友達。
棺には一緒にとった写真を入れた。火葬場に運ばれ遺体を火葬している待ち時間の間、友達の両親からあるものを渡された。
それは中学の修学旅行のとき沖縄で取った星の砂と一枚のCDだった。
CDの中身を聞いてみると、それは中学時代に友達と一緒に組んだバンドの演奏が入っていた。
お互いの記念に撮っておいたものなのだがそのCDの最後には友達の言葉が入っていた。
友達「よう久しぶり男元気か?悪いんだが俺は死ぬらしい。ああそうかこれ聞いてるときにはもう死んでるんだったな
何でビデオにしなかったかってのは俺の体を見ればわかるだろ?今の姿を男に見せたくなかったからな。
ああなんで俺こんな病気にかかっちゃったのかな。まだまだいっしょに遊びたかったのにな。
俺まだ死にたくないよ。死にたくないよ。また一緒似バンド組みたいよ。いっしょに大人になって酒飲みたいよ。」
その跡に聞こえてきたのは友達の声にならない泣き声だった。
そしてCDの最後に
「・・・・・・・もしもまた会うことがあったらまた一緒に遊ぼうな・・・じゃあな。」
俺はそれまで流れなかった涙がとめどなくあふれてきた。人目も気にせず泣いた。
何でもっと一緒にいられなかったのだろうか。そんなことばかりが頭に浮んで来た。
泣き崩れている男に友達の父がそっと肩に手を当てた。
友達父「後悔は自分を甘やかす、これからできることを考えなさい。」
火葬が終了したようで骨になった友達のところへ行った。骨を箱に詰めていく。
過去は変えられない。でも前を見て生きていこうと男は決めた。
それからまたいつものように学校に通っていて女の大声を聞きながらすごしている。
ただ"あいつ"のいないだけの変わらない日々が続いているだけ。
瞳を閉じればあなたが、瞼の裏にいることで、どれほど強くなれたでしょう?
あなたにとって私がそうであったであろうか?
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