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86:秋雨と台風〜13 9/16 2:59:46.84 ID:CjKpOFIs0
しばらくだべったりゲームとかして遊んでいるうちに、空が真っ暗になっていた。台風の接近に伴い、窓を叩く風や雨粒も音を増し、気付かないうちに、なかなかヤバそうな状況になっていたようだ。
男「まずいな……そろそろ帰るかな」
女「そうか……」
女はどこか残念そうだった。と。
女母「男君。台風で帰るの危ないから泊まっていきなさいよ」
男「――は?」
女母「だから。泊まっていけばいいっていったのよ」
男「いや、そんな急に……!」
女母「あら。私は全然構わないし、女も良いみたいよ?」
女「男ぉぉぉ〜」
あああああ。そんな期待に満ちた子犬のようなまなざしでこっちを見るなぁ…!
女母「ちなみに男君の家にはもう連絡しておいたから。妹さんが『よろしくお願いします』ですって」
あの小娘、お兄様を売りやがった――!?すでに退路はないらしい。
男「……一泊させていただきます」
女「っキターーーーーーッ!!」
女母「はい。じゃあ決まりね。寝巻きとかはうちの旦那の貸してあげるから」
男「お世話になります……」
というわけで、宿泊が決定してしまった。とりあえず夕食待ちで、居間でテレビを見ていると。
男「あれ……女、手伝いにいったんじゃなかったのか?」
女「『男はお客さんなんだから、相手をしてあげなきゃだめでしょ』と言われて、キッチンを追い出されたんだぁぁぁ!!」
実に賢明な判断です母上殿。
男「あれ、そういえば父上殿と姉上殿は?」
女「父さんは単身赴任中!姉貴は彼氏と同棲中だぁぁぁッ!!」
男「……なるほど。ということは今は母娘二人暮らしなのか」
女「そういうことだぁ!だから私が少し羽目を外して、賑やかにしてるんだぁ!!」
ふいに、女の声のトーンが下がる。
女「……そうしないと、この家は静か過ぎるからな……」
いつもと違う、少し物憂げな女の表情。やはり――寂しいのかも知れない。家族が揃わないことが。
男「そうだな……お前は、それくらい賑やかなほうがいい、きっと」
女「……やっぱり、男はいいヤツだぁぁぁぁッ!!愛してるぞぉぉぉ!!」

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