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176:ふたりの未来〜3 9/19 1:10:46.69 ID:YbihP0dV0
学校の中庭のベンチで、一人ぼんやりと空を見上げている。
女のいるこの街を離れ、女のいないどこか遠くへと……そんな想像が、まるで出来なかった。行き場のない想いは消化不良のまま、ぐるぐると巡っていく。ヤツの存在がここまで俺の心に食い込んできているとは、正直思っていなかった。
まとまらない思考を持て余したままに、ぐったりとベンチの背もたれに身を委ねる――と。
女友「……こんなとこで黄昏ちゃってまあ」
男「女友……か」
女友「何よ、随分な挨拶じゃない」
不機嫌そうに言いながら、彼女は隣にどかりと腰掛けてくる。
女友「……で?どうしたの。女もキミも、元気ないみたいだけど」
男「……そう見えるのか?」
はぁー、と大げさに溜息をついたあと。
女友「あのねぇ。私が、何年キミらの友人やってると思ってますか?」
男「……そうだったな」
女友「というわけでさ。なんかあるなら、聞いてあげようかー、とか思ったんだけど」
悪戯っぽく微笑う女友に、コイツなら平気だろう――不意にそんなことを感じ。思うところを全部打ち明けていた。
訥々とした、まとまりのない語りだったが……女友は黙って聞いていてくれた。
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