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178:ふたりの未来〜4 9/19 1:13:06.03 ID:YbihP0dV0
女友「……私は、そのまま行くべきだと思うけどな」
全てを聞き終えたあと、開口一番、女友はそう言った。
男「……意外だな。てっきり、女を大切にしてやれー、とか言うのかと」
女友「ん?大切にするのは当然じゃない」
男「?」
女友「だって、女も男くんに望みを放棄させてまで一緒にいたいなんて思わないんじゃない?」
男「――」
女友「大好きだから……一緒に居られたとしても、きっとそれはあの子にとって少なからず苦痛になると思う」
男「それは……確かにな」
女友「まあ、単純に距離を置くのも辛いけどさ……どっちがいいかはキミが決めること」
男「ああ……」
女友「だけど、キミの選択は良し悪しじゃない。悪いものと悪いものから、よりマシなほうを選ぶものだと思うから」
そう言って、女は真っ直ぐに俺を見据えてくる。その瞳には訴えるような真摯な色があった。
男「どちらにしろ、覚悟は決めろ……か」
肩を竦めてみせた女友に、頷き返す。いい加減、今のままでは――曖昧なままではいけないのかもしれない。
あの熱き想いを受け止めるためには。強く、より強くあらねばならないと。そう思った。
女友「それで……どう?」
男「……つかめた、ような気がする」
女友「そ……全く。もうおノロケなんて聞かせないでよね」
男「……すまんな」
立ち上がり歩き出した女友は、振り向きもしないまま、応えるように手をひらひらさせてみせた――

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