新10 1-
179:ふたりの未来〜5 9/19 1:18:18.90 ID:YbihP0dV0
その日の帰り道。
隣には女がいる。当たり前のように続いた日常の一コマだった。
他愛のない話を繰り返し、いつしか、いつも別れる交差点に至っていた。
女友に発破をかけられ、まとまった想いを伝えるのは速い方が良かった――決断は、すぐに鈍ってしまうだろうから。
どちらともなく俺達は立ち止まった。
雰囲気で感じ取っていたのか――女は無言のまま、俺の言葉を待っているようだった。
男「女……俺、あっちに行こうと思う」
その言葉だけで、俺の決意を、想いを汲み取ったのか――女は静かに頷く。微妙な表情の変化は、何を思ってか。
そして、彼女は口を開いた。
女「私は……男が、大好きだぁ!!」
男「ああ」
女「だからッ!!それが男が決めたことならば、反対などしないッ!!!」
男「……そうか」
言って、ニヤリと微笑う女に、俺は苦笑で応じた。
もし引き留められたなら。こちらに残るつもりだった――そんな逃げ道を、あっさりと粉砕してくれた。本当に、彼女らしい。
女「だがなぁ男ぉぉ!!」
男「ん……」

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