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181:ふたりの未来〜6 9/19 1:21:06.32 ID:YbihP0dV0
女「もし落ちたりしたら、承知しないからなぁぁぁ!!死ぬ気でかかれよぉぉッ!!」
男「ああ……当然だ」
女「ならば約束しようッ!!小指と小指を絡めて指きりげんまんだぁぁぁ!!」
女が小指を差し出してくる。子供っぽいが、それが今出来る精一杯のコト。
男「……わかった。約束する」
そして繋がる小指はひどく熱く。
女「指きりぃ!げんまんっ!!嘘ついたらぁ!!針千本飲ますぞコラぁぁぁッ!!!」
離れる指に願いを託し。薄れる熱に名残惜しさを残して、俺達は約束を交わした。
女「よぉぉっし!これで男は、絶対に入試に落ちないぞぉぉぉ!!」
男「そうだといいがな」
女「そうなんだぁぁ!!絶対うかるはずだぁぁッ!!!」
男「そんな気がしてきたよ」
女「もし万一挫けそうなときには!この約束をぉ!!私の愛を思い出せぇ!!!」
男「そうする」
女「後先など考えずとも大丈夫だぁ!!だから――」
言葉に詰まった女は、少しだけ俯くと。
どうしようもなく哀しそうな笑顔で、瞳一杯に涙を溜めて。
女「――頑張れよぉッ!!男ぉぉぉぉ!!!」
それだけを口にして。女は俺に背を向け、夕焼けの街へと駆け出していった――
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