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189:ふたりの未来〜10 9/19 1:37:01.66 ID:YbihP0dV0
そう。俺達の再会に涙なんて必要ない。湿っぽさなど無縁だ。俺達二人を繋ぐのは、暑苦しいほどの『情熱』――
そして、彼女が彼女であるために。その熱き宣誓が、はじまろうとしていた。
踏み直す足は肩幅。目を瞑った女は、大きく息を吸い込む。その姿に、一瞬だけあの頃の面影が重なり――
女「―――っおとこぉぉぉォォォッ!」
そして、溜まりに溜まっていた女の想いが爆裂した。
女「私はぁ!!どんなときもぉ!!!世界で一番ッ!!!お前を愛しているぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!!!!!!!!!」
大地を震わせなお足りず、桜の梢を揺らし、天へ届けと、彼女の告白が蒼穹に響き渡る。
昔はうるさくしか聞こえなかったそれも、何故か今は耳に心地良く――
男「……ああ。ありがとう――」
口から零れ落ちるように自然に、その言葉を放っていた。
女「ず……随分素直になったなぁ、男ぉ!やっぱり一人暮らしは寂しかったかぁぁ!!?」
男「かもな――」
歩み寄り――何のためらいもなく、彼女の柔らかな身体をしっかりと抱き締めていた。
女「ぉ……男ぉ!?」
男「女」
女「な、何だっ!!?」
それは一年前に言えなかった言葉。もともとそこに在った、ありのままの気持ちを――俺は口にしていた。
男「俺も、お前を愛している――」
俺の言葉に、女は僅かに息を呑み。
女「……やっと、言ってくれたね……」
感極まったように、女が呟いた。
伝わる鼓動が、見詰め合う瞳が、触れ合う身体から迸る熱が、如実に気持ち伝え合う。
言葉はもう必要なかった。どちらともなく目を閉じ――重なる唇に、想いを託して。
俺達は、長い長い口付けを交わした。
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