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292:学園祭〜6 9/19 14:56:38.79 ID:fe0WwBHg0
男友の合図――弾けるドラム。唸るベース。全てを包括するように、美容師のギターが走る。
あっという間に、観客は彼らの世界に呑まれていた。そして前奏が終わる。
――午前二時 踏み切りに 望遠鏡を担いでった ベルトに結んだラジオ 雨は降らないらしい
男はスティックをペダルを繰り、涼しい顔でビートを刻み続ける。
――二分後に 君が来た 大げさな荷物しょって来た 始めようか 天体観測 箒星を探して
妹のベースがドラムと完璧にシンクロし、旋律を維持し続ける。
――深い闇に飲まれないように 精一杯だった 君の震える手を握ろうとした あの日は
大きく息を吸い込んだ男友は、サビに向かって一気に声量を爆発させる!
――見えないものを見ようとして 望遠鏡を覗き込んだ 静寂を切り裂いて いくつもの声が生まれたよ
その瞬間――女は気付く。
――明日が僕らを呼んだって 返事もロクにしなかった 『イマ』という箒星 君と二人追いかけてる
男が、確かにこちらを見て、ニッと笑みをみせたことに。
女「……」
女友「すごいね……って、女?」
女「……ぅ男ぉぉぉぉ!!愛してるぞぉぉぉぉッ!!!うおぉぉぉぉぉぉッ!!!」
その絶叫に、連鎖するように飛び交う罵声歓声野次。そして会場がさらにヒートアップする――!!
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